道徳はどうして教科化されたのですか。
深刻ないじめ問題がきっかけとなり,改めてこれまでの道徳教育と道徳の時間の実態や現状を見直され, 改善を図るために教科化することになりました。道徳の「教科化をすすめる理由」として,現行の道徳教育における指導法・内容のばらつき等の改善が必要であることを挙げた上で「いじめ防止に大きな効果が期待できる」「学校教育の真の中核としての役割を果たせるようにすべき」などといったことが挙げられています。
道徳教育の重要性を再認識し,更に充実することと改善することが求められているのですね。 では,これからの道徳の時間に求められていることとはどのようなものでしょうか。
教科化によって求められていることに,道徳科の授業の「質的転換」と「量的確保」があります。
道徳科の授業が,児童生徒の資質・能力を育てるための授業へと改善していこうとするもの。
年間35時間の授業をしっかりと積み重ねていくこと。
これまでの道徳の時間の成果として,学校の教育目標に即して充実した指導を重ね,確固たる成果を上げている優れた取組がたくさんあります。これまでの指導の仕方を振り返り,それぞれの指導の意図をもう一度見つめ直して,よりよい方向へと改善を図っていくことが大切です。
[1] | 赤堀博行:「特別の教科 道徳」で大切なこと(2017) | P18-46 | 東洋館出版社 |
[2] | 「特別の教科 道徳」の全面実施に向けてのリーフレット | 宮城県教育委員会 | |
[3] | 浅見哲也:「こだわりの道徳授業レシピ」(2020) | P10-17, P52-54 | 東洋館出版社 |