小学校低学年 | 美しいものに触れ,すがすがしい心をもつこと。 |
小学校中学年 | 美しいものや気高いものに感動する心をもつこと。 |
小学校高学年 | 美しいものや気高いものに感動する心や人間の力を超えたもの対する畏敬の念をもつこと。 |
中学校 | 美しいものや気高いものに感動する心をもち,人間の力を超えたものに対する畏敬の念を深めること。 |
指導に当たって | |
小学校低学年 C-(19) | 児童が美しいものに触れて心が揺さぶられたときには,その思いを教師が大切にするとともに,児童の感動を他の児童にも共有できるように働きかけることで,児童自身がもっている初々しい感性を豊かに育んでいくことが考えられる。 |
小学校中学年 C-(20) | 感性や知性が著しく発達する段階であることに配慮して,児童が自然の美しさや人の心の気高さなどを感じ取る心をもっている自分に気付き,その心を大切にし,更に深めていこうとする気持ちを高めるようにすることが重要である。 |
小学校高学年 C-(21) | 文学作品,絵画や造形作品などの美術,壮大な音楽など美しいものとの関わりを通して,感動したり尊敬や畏敬の念を深めたりすることで,人間としての在り方をより深いところから見つめ直すことができるようにすることが大切である。 |
中学校 C-(21) | まず,例えば,体験活動等における,自然の織りなす美しい風景や優れた芸術作品等の美しいものとの出会いを振り返り,そこでの感動や畏敬の念,不思議に思ったことなどの体験を生かして,人間と自然,あるいは美しいものとの関わりを多面的・多角的に捉えさせることが大切である。畏敬は,非日常的な体験を通して初めて自覚されることが多い。例えば,小さな子供が遊びの中で昆虫の命を奪ってしまったときに感じる恐ろしさや,その子供が同時に抱く命への尊敬の気持ちなど,これまでの経験を想起させ,生命の尊さの内容と関連させながら畏敬の念について話し合わせることで,抽象的な言葉による理解ではなく,人間理解に基づいて畏敬の念について深く考えることができる。
さらに,心の奥深さや清らかさを描いた文学作品等の気高いものとの出会いを振り返り,有限な人間の力を超えたものを謙虚に受け止める心を育てることが求められる。こうした指導を通して豊かな心を育てることが,人間としての成長をより確かなものにすることにつながるのである。 |