小・中学校学習指導要領
(平成29年告示)解説
(小)p.58,59
(中)p.54,55

主として集団や社会との関わりに関すること

内容項目 小学校「よりよい学校生活,集団生活の充実」
内容項目 中学校「よりよい学校生活,集団生活の充実」

  

発達段階に応じた指導

小学校低学年 先生を敬愛し,学校の人々に親しんで,学級や学校の生活を楽しくすること。
小学校中学年 先生や学校の人々を敬愛し,みんなで協力し合って楽しい学級や学校をつくること。
小学校高学年 先生や学校の人々を敬愛し,みんなで協力し合ってよりよい学級や学校をつくるとともに,様々な集団の中での自分の役割を自覚して集団生活の充実に努めること。
中学校 教師や学校の人々を敬愛し,学級や学校の一員としての自覚をもち,協力し合ってよりよい校風をつくるとともに,様々な集団の意義や集団の中での自分の役割と責任を自覚して集団生活の充実に努めること。

小学校・中学校学習指導要領解説 (2)指導の要点の一部抜粋

 
指導に当たって
小学校低学年
C-(14)
 児童が教師や友達と一緒に遊んだり学んだりして共に生活する機会を設定して,そのことを通して楽しさを味わい,学校のことをより深く知り,集団の中での行動の仕方を学び,自分の居場所をつくっていけるような指導をすることが望まれる。
小学校中学年
C-(15)
 教師をはじめ学級や学校で自分を支え励ましてくれる様々な人々との関わりにおいて感謝と敬愛の念を深め,進んで学級や学校のために働くなど具体的な活動を通して,楽しく充実した学校生活が構築できるように指導していくことが求められる。
小学校高学年
C-(16)
 様々な集団での活動を通して,集団を支えているのは自分たち自身であるということに気付かせると同時に,集団における自分の役割を自覚し責任を果たそうとする態度を育てるよう指導することが大切である。
中学校
C-(15)
 まず,生徒は学校や教師などへの関心が十分とは言えない状況の中,学校のよさや校風等を取り上げ,学級や学校の一員であることの自覚を促すことが必要である。生徒の立場に立って考え,共感的で確かな生徒理解に努めることにより人間関係を深めていくことも重要なことである。
 さらに,自らの所属する集団の目的や意義を理解するとともに,個人の力を合わせチームとして取り組んでこそ達成できることなど,集団の在り方について多面的・多角的に考えられるようにすることが大切である。自分が所属する集団にのみ関心を寄せ,自分たちの利益のみを追求し,自分との関わりが薄いと思われる集団や成員に対して無関心になってはいないか省みることも必要である。利己心や狭い仲間意識を克服し,協力し合って,集団生活の向上に努める態度を育てることが重要である。生徒一人一人が集団の中で個性を失うことがないように留意して,それぞれが伸び伸びと自らのよさを発揮できるような集団の在り方を考えられるようにする必要がある。
 また,例えば,特別活動における学校行事の儀式的行事で学校への所属感を深めた後や,文化・体育的行事において学校や学級での自らの役割や責任を果たした後などに,よりよい校風作りや集団生活の充実について考えるなど,他教科等と関連した指導も積極的に行っていく必要がある。