小・中学校学習指導要領
(平成29年告示)解説
(小)p.54,55
(中)p.48,49

主として集団や社会との関わりに関すること

内容項目 小学校「勤労,公共の精神」
内容項目 中学校「社会参画,公共の精神」

  

発達段階に応じた指導

小学校低学年 働くことのよさを知り,みんなのために働くこと。
小学校中学年 働くことの大切さを知り,進んでみんなのために働くこと。
小学校高学年 働くことや社会に奉仕することの充実感を味わうとともに,その意義を理解し,公共のために役に立つことをすること。
中学校 社会参画の意識と社会連帯の自覚を高め,公共の精神をもってよりよい社会の実現に努めること。
      

小学校・中学校学習指導要領解説 (2)指導の要点の一部抜粋

 
指導に当たって
小学校低学年
C-(12)
 学級の清掃や給食などの当番活動,学級生活の充実に向けた係活動,家庭や地域社会での決められた仕事など,みんなのために役立とうとする意欲や態度に結び付けていくことが求められる。
小学校中学年
C-(13)
 特に,身の回りの生活の中で,集団の一員としてできることについて考え,自分ができる仕事を見付けたり,集団生活の向上につながる活動に参加したりして,みんなのために働こうとする意欲や態度を育むことが重要になる。
小学校高学年
C-(14)
 勤労が自分のためだけではなく社会生活を支えるものであることを考えさせることが求められる。また,ボランティア活動など,社会への奉仕活動などから得た充実感を基に,勤労と公共の精神の意義を理解し,公共のために役に立とうとする態度を育てることが望まれる。
中学校
C-(12)
 まず,学級活動や生徒会活動に積極的に参画するなどの体験を生かして,社会参画や社会連帯についての考えを深めさせ,現実の学校生活に生かすことができるよう公共の精神についての考えを深めさせることが大切である。生徒一人一人に自分も社会の一員であるという自覚を深めるようにして,互いに積極的に協力し合おうとする意欲を育てるように工夫することが必要である。
 さらに,よりよい社会を実現するためには,社会生活において互いに迷惑をかけることのないような行動の仕方を身に付けるとともに,進んで社会と関わり積極的な生き方を模索しようとする態度を育てる必要がある。そして,進んで社会的な責任を果たすために,どのような行動を取るべきかを主体的に考えられるようにすることが重要になる。また,この内容項目を通じて,例えば,生徒が将来,選挙権を付与される年齢に達した際には,自分も社会の一員であるという認識のもと,積極的に権利を行使するという,主体的に社会に参画し,その発展に寄与する態度を養うという視点も重要である。 また,例えば,社会科の公民的分野での社会参画や社会連帯の在り方や公共の精神の学習など,他教科等と関連付けたり,高等学校段階への発展につなげたりすることも必要である。