小・中学校学習指導要領
(平成29年告示)解説
(小)p.52,53
(中)p.46,47

主として集団や社会との関わりに関すること

内容項目 小学校「公正,公平,社会正義」
内容項目 中学校「公正,公平,社会正義」

  

発達段階に応じた指導

小学校低学年 自分の好き嫌いにとらわれないで接すること。
小学校中学年 誰に対しても分け隔てをせず,公正,公平な態度で接すること。
小学校高学年 誰に対しても差別することや偏見をもつことなく,公正,公平な態度で接し,正義の実現に努めること。
中学校 正義と公平さを重んじ,誰に対しても公平に接し,差別や偏見のない社会の実現に努めること。
      

小学校・中学校学習指導要領解説 (2)指導の要点の一部抜粋

 
指導に当たって
小学校低学年
C-(11)
 日常の指導において,公正,公平な態度に根ざした具体的な言動を取り上げて,そのよさを考えさせるようにすることが大切である。また,偏見や差別が背景にある言動については,毅然として是正することが必要である。これらの指導を通して,児童が誰に対しても公正,公平に接することのよさを実感できるようにすることが大切である。
小学校中学年
C-(12)
 不公平な態度が周囲に与える影響を考えさせるとともに,そのことが人間関係や集団生活に支障を来たしいじめなどにつながることを理解させることが求められる。誰に対しても分け隔てをせず,公正,公平な態度で接することができるようにすることが重要である。
小学校高学年
C-(13)
 不正な行為は絶対に行わない,許さないという断固たる態度を育てることが大切である。日頃から自分自身の考えをしっかりもち,同調圧力に流されないで必要に応じ自分の意志を強くもったり,学校や関係機関に助けを求めたりすることに躊躇しないなど,周囲の雰囲気や人間関係に流されない態度を育てるようにする。また,社会的な差別や不公正さなどの問題はいまだに多く生起している状況があるため,これらについて考えを巡らせ,社会正義の実現について考え,自覚を深めていく指導を適切に行うことが大切である。
中学校
C-(11)
 まず,自己中心的な考え方から脱却して,公のことと自分のこととの関わりや社会の中における自分の立場に目を向け,社会をよりよくしていこうとする気持ちを大切にする必要がある。また,「見て見ぬふりをする」や,「避けて通る」という消極的な立場ではなく,不正を憎み,不正な言動を断固として否定するほどの,たくましい態度が育つように指導することが大切である。
 さらに,この世の中から,あらゆる差別や偏見をなくすように努力し,望ましい社会の理想を掲げ,正義が通り,公平で公正な社会の実現に積極的に努めるよう指導する必要がある。 なお,正義の実現を目指す社会の在り方について考えることは,社会科における公民的分野の学習や,特別活動における集団生活の向上についての学習とも関連させ取り組むことが求められる。