小・中学校学習指導要領
(平成29年告示)解説
(小)p.44,45
(中)p.38,39

主として人との関わりに関すること

内容項目 小学校「礼儀」
内容項目 中学校「礼儀」

  

発達段階に応じた指導

小学校低学年 気持ちのよい挨拶,言葉遣い,動作などに心掛けて,明るく接すること。
小学校中学年 礼儀の大切さを知り,誰に対しても真心をもって接すること。
小学校高学年 時と場をわきまえて,礼儀正しく真心をもって接すること。
中学校 礼儀の意義を理解し,時と場に応じた適切な言動をとること。
   

小学校・中学校学習指導要領解説 (2)指導の要点の一部抜粋

 
指導に当たって
小学校低学年
B-(8)
 日常生活を送るために欠かせない基本的な挨拶などについて,具体的な状況の下での体験を通して実感的に理解を深めさせることが重要である。また,外出時や公共の場での振る舞い方など社会との関わりの中での礼儀についても考えさせることが重要である。
小学校中学年
B-(8)
 この段階の児童が気の合う友達同士で仲間集団をつくる傾向が見られるため,誰に対しても真心をもって接する態度を育てるようにすることが特に重要である。人に頼むときや失敗して謝るときなど人との関わりを通して,真心は相手に態度で示すことができることに気付かせることもできる。また,家庭や地域社会での日常の挨拶,学習や給食の際の態度,校外学習など見学先での振る舞いなどについて考えさせることも大切である。
小学校高学年
B-(9)
 行動範囲の広がりとともに様々な人との関わりも増えてくることから,挨拶などの礼儀は社会生活を営む上で欠くことのできないものであることを押さえ,礼儀作法の形にこめられた相手を尊重する気持ちを児童自身の体験などを通して考えさせることが効果的である。また,礼儀に対する意識を高めるために,自分の一日の生活の中にある礼儀を見直したり,武道や茶道など我が国に古くから伝わる礼儀作法を重視した文化に触れたりすることも考えられる。
中学校
B-(7)
 まず,教えられ無意識に習慣として実践してきた受け身の姿勢から,挨拶の意義などを主体的に考え理解し,例えば,時・場所・場面(TPO)に応じて,自ら挨拶をしてからお辞儀をするなど,適切な言葉や行動ができる自律した態度へ変わっていくことが求められる。日常生活において,時と場に応じた適切な言動を体験的に学習するとともに,形の根底に流れる礼儀の意義を深く理解できるようにすることが大切である。心情面を整えることによって,形として外に表すことができるようになることもある。
 さらに,礼儀の形は時代や社会によって変わる相対的な面をもっている一方で,その精神は伝統として受け継がれるものもある。例えば我が国には伝統的な礼儀作法があるように,他国にもそれぞれの国に応じた礼儀作法がある。国際化の進展に伴い他国の人々に接する機会が多くなった今日,他国の礼儀についても理解を深め,他国の人々に気持ちよく接することができるように指導することが大切である。礼儀は,相手を人間として尊重する精神の現れであることを十分に理解させ,時と場に応じて主体的に適切な言動が行われることが求められている。