小・中学校学習指導要領
(平成29年告示)解説
(小)p.42,43
(中)p.36,37

主として人との関わりに関すること

内容項目 小学校「感謝」
内容項目 中学校「思いやり,感謝」

  

発達段階に応じた指導

小学校低学年 家族など日頃世話になっている人々に感謝すること。
小学校中学年 家族など生活を支えてくれている人々や現在の生活を築いてくれた高齢者に,尊敬と感謝の気持ちをもって接すること。
小学校高学年 日々の生活が家族や過去からの多くの人々の支え合いや助け合いで成り立っていることに感謝し,それに応えること。
中学校 思いやりの心をもって人と接するとともに,家族などの支えや多くの人々の善意により日々の生活や現在の自分があることに感謝し,進んでそれに応え,人間愛の精神を深めること。
   

小学校・中学校学習指導要領解説 (2)指導の要点の一部抜粋

 
指導に当たって
小学校低学年
B-(7)
 感謝の対象や具体的な内容を教師が適切に示す必要がある。世話をしてくれる人々の善意に気付き,感謝する気持ちを具体的な言葉に表し,行動に表す指導が求められる。
小学校中学年
B-(7)
 自分の生活を支えてくれる人の思いを考え,その人たちの存在意義に対する理解を深め,尊敬と感謝の念をもって接することができるようにすることが大切である。 
小学校高学年
B-(8)
 過去から,人々が何を願い,何を残し伝えてきたのか,それは自分の生活とどう関わり,支えられているのかに気付くことができるようにすることが大切である。支え合い助け合おうとする人々の善意に気付き感謝する心情や態度を育て,自他を尊重する温かな人間関係を築くことのできる資質・能力を育てることが求められる。温かなつながりの中に自分の生活があることに感謝し,人々の善意に応えて自分は何をすべきかを自覚し,進んで実践できるようにするところまで指導する必要がある。
中学校
B-(6)
 まず,単に思いやりの大切さに気付かせるだけでなく,根本において自分も他者も,共にかけがえのない存在であるということをしっかり自覚できるようにすることが大切である。そして,思いやりや感謝の気持ちを言葉にして素直に伝えようとする心が,今自分が相手に対して何をもって応答することができるかを考えさせ,結果として自己と他者との心の絆をより強くするのだということに気付かせたい。
 さらに,重荷にならないようにという配慮がなされた思いやりに気付くことは,決して容易なことではない。これらのことを踏まえた上で,互いに支え合う経験を積みながら,温かい人間愛の精神に基づく体験の機会を生かし,人間として生きることに喜びを見いだすとともに,思いやりと感謝の心と態度が育まれていくよう工夫する必要がある。なお,感謝の心は,他者との関わりに始まり,多くの社会の人々への感謝,さらには自然の恵みへの感謝へと次第に広がっていくものである。したがって,Cの視点やDの視点との関連を図りつつ指導する必要がある。