小・中学校学習指導要領
(平成29年告示)解説
(小)p.34,35
(中)p.30,31

主として自分自身に関すること

内容項目 小学校「個性の伸長」
内容項目 中学校「向上心,個性の伸長」

  

発達段階に応じた指導

小学校低学年 自分の特徴に気付くこと。
小学校中学年 自分の特徴に気付き,長所を伸ばすこと。
小学校高学年 自分の特徴を知って,短所を改め長所を伸ばすこと。
中学校 自己を見つめ,自己の向上を図るとともに,個性を伸ばして充実した生き方を追求すること。

小学校・中学校学習指導要領解説 (2)指導の要点の一部抜粋

 
指導に当たって
小学校低学年
A-(4)
 児童の長所を積極的に認め,励まし,児童自身が具体的な場面で芽生えてくる自分の長所にできるだけ多く気付き,実感していけるようにすることが,よさを伸ばすことにつながっていく。
小学校中学年
A-(4)
 友達など他者との交流の中で互いを認め合い,自己を高め合える場を設定したりして,長所を伸ばそうとする意欲を引き出すことが大切である。
小学校高学年
A-(4)
 この段階においては,自己の生き方を見つめ,自分の特徴を多面的・多角的に捉えることが必要である。そうすることにより,自分自身の長所と短所の両面が見えてくる。その際,まず,自分が気付いた長所に目を向けて現状を維持し続けることの大切さや,更に積極的に長所を伸ばそうとする態度を育てる必要がある。そして同時に自分の短所などもしっかり見極め,短所も自分の特徴の一側面であることを踏まえ,それを課題として改善していく努力も重ねつつ,自分自身を伸ばしていくことが大切である。また,自己を振り返って改めるところは改め,自己を高めようとする意欲や態度は,継続されなければ将来にわたっての自己実現とはならず,本当の個性にはなっていかない。
 指導に当たっては,このことをよく理解し,具体的な実践を試みることができるようにすることも重要である。
中学校
A-(3)
 まず,短所も自分の特徴の一側面であることを踏まえつつ,かけがえのない自己を肯定的に捉え(自己受容)させるとともに,自己の優れている面などの発見に努め(自己理解)させることが大切である。自分のよさは自分では分からないことが多いため,生徒相互の信頼関係を基盤として互いに指摘し合い,高め合う人間関係をつくっていくように指導することが重要となってくる。
 さらに,自己との対話を深めつつ,自分自身のよさを伸ばしていくようにすることが大切である。例えば,優れた古典や先人の生き方との感動的な出会いを広げる中で,充実した人間としての生き方についての自覚を深め,これまで気付かなかった自分自身のよさや個性を見いだしていくこともある。教師は,生徒がそれぞれの人生で培ってきた個性を大切にし,生徒のよさの発見に努めなければならない。