小・中学校学習指導要領
(平成29年告示)解説
(小)p.36,37
(中)p.32,33

主として自分自身に関すること

内容項目 小学校「希望と勇気,努力と強い意志」
内容項目 中学校「希望と勇気,克己と強い意志」

  

発達段階に応じた指導

小学校低学年 自分のやるべき勉強や仕事をしっかりと行うこと。
小学校中学年 自分でやろうと決めた目標に向かって,強い意志をもち,粘り強くやり抜くこと。
小学校高学年 より高い目標を立て,希望と勇気をもち,困難があってもくじけずに努力して物事をやり抜くこと。
中学校 より高い目標を設定し,その達成を目指し,希望と勇気をもち,困難や失敗を乗り越えて着実にやり遂げること。

小学校・中学校学習指導要領解説 (2)指導の要点の一部抜粋

 
指導に当たって
小学校低学年
A-(5)
 自分のやるべき勉強や仕事にはどのようなものがあり,しっかり行うことの意義を自覚させる必要がある。また,家族や教師の励ましや賞賛,適切な助言などの下に,自分がやるべき勉強や仕事を,自分がやるべきこととしてしっかりと行うことができるよう指導することが大切である。やり遂げたときの喜びや充実感を味わい,努力した自分に気付くことができるように指導することが大切である。
小学校中学年
A-(5)
 目標を立て,あきらめずに粘り強くやり抜く強い意志が必要であることや苦しくて途中であきらめてしまう人間の弱さ,今よりよくなりたいという願い,努力しようとする姿について考えを深めていくことが求められる。目標を実現するためには,自分自身の努力だけでなく,家族や教師など,周りの人の励ましや賞賛があることに気付き,粘り強く努力しようとする態度を育てることが大切である。
小学校高学年
A-(5)
 苦しくてもくじけずに努力して物事をやり抜き,失敗を重ねながら夢を実現した人に触れ,希望をもつことの大切さや,希望をもつが故に直面する困難を乗り越える人間の強さについて考えることを通して,児童の中により積極的で前向きな自己像が形成されるようにすることが大切である。
中学校
A-(4)
 まず,生活の中で具体的な目標を設定させ,その実現に向けて努力する体験をさせ,その体験を振り返って,目標の達成には何が必要かを考えたり,自らの歩みを自己評価させたりすることが大切である。そして,達成できたときの成就感や満足感を繰り返し味わわせるとともに,希望をもつが故に直面する困難や失敗の体験を勇気をもって受け止め振り返る活動を通して,目標の実現には困難や失敗を乗り越えることが必要であると実感させ,困難や失敗を乗り越える自分なりの方法について考えさせることが重要である。一方で,努力が全て思いどおりの結果に結び付くわけではない。したがって,教師は生徒の努力を評価し,挑戦することから逃げないで努力し続ける姿勢が大切であることを伝えていくことが重要である。
 さらに,様々な人の生き方に学びながら,生涯をかけての理想や目標をもち,困難や失敗を乗り越えて挑戦し続けることが,日々の生活を充実することにつながるとともに,文化や社会の発展を支える力ともなってきたことに気付かせることが大切である。また,困難や失敗を乗り越える強い意志や逆境から立ち直る力を育むには,積極的な自己像の形成や困難に直面したときの心構えについて繰り返し学習し,積極的な思考や行動を習慣化していく指導も効果的である。